この秋、柿を干すには、天気が悪かった。カビがはえたのである。渋い柿は、皮をむくと、スベスベしている。これが渋で、空気が乾いていれば、それがかたまって、薄い皮となる。皮をむいて干して、一週間ばかり晴天が続いてくれると、渋からできた皮はしっかりしてくる。そうして柿全体の水分がだんだんぬける。そっと指で押すと、皮にしわができる。こうなればカビは、はえにくい。

 干柿は、乾燥が進むに応じてもんでやる。渋がつくった皮が破けないよう、やさしくもみほぐす。乾いてもやわらかな干柿は、手間をかけてつくる。ゼンマイを乾燥させる際も、干しながら幾度となくもむのと同じだ。干柿は、乾くにつれて茶色が濃くなり、かたくもなる。うまくゆくと、完成のころには、表面に白い粉をふいてくる。

干したところは、狭いものほし場だ。そこに脚をたてる。脚を、充分にはひろげられない。柿とその影、隣家の屋根と青空、濃い影で、晴天とわかろう。しかし、青空を入れれば一目瞭然。柿どうし、触れあわないようつるしたさまなどを画面にいれたいが、ものほし場の外にカメラを構えることができない。ヒケがないのだ。ものほし場の手摺りのうえあたりにカメラをもってゆきたい。脚の開脚角度が簡単に動いては困る。三脚が占める底面積を狭くしたい。でも高さはほしい。その点、二段式のエレベーターは有り難いが、ゆれやすいし、エレベーター自体が回転しやすく、これは不便でもある。作動箇所を面倒がらずにキチンと始末した結果が三脚の白黒写真だ。12月にはいって晴天がふえ、寒さが例年なみになると、カビはおさまった。私は食いしん坊、このカビ、からだに悪いかどうか食べてみた。干柿はうまい。自然の甘さ、どうもない。正月用に紅白なますをつくって、自家製干柿を刻んでいれた。甘酢になじみ、やわらかくなっておいしかった。

 

ポイント


 

二段式のエレベーターは有り難いが、ゆれやすいし、エレベーター自体が回転しやすく、これは不便でもある。


 

 

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