今年はなり年らしい。花つきが悪いと思っていたのに、実が目立つようになると、存外になっている。家内が苗木を買ってきた。富有といって。しかし、なってみると百匁柿だった。甘柿のはずなのに、渋いのがある。気難しい柿である。とり頃がとてもむずかしい。うまく当たると、「甘柿」なのだが、外れることが多く、それは干柿にする。

 色づきはじめて橙色が濃くなると、花の跡に同心円状の模様がでる。いかにも甘柿らしくみえるが、なかなかそれが曲者で、当たらない。だから皮をむいて、なめて確かめる。渋ければつるし柿にできるよう、収めるときT字形に枝を切る。

 実が色を増やすと、ヒヨやメジロ、スズメなどがやってくる。すっかりうれた実を狙っているのだ。鳥も渋いのは食べない。彼らがつつくまえに、熟柿を収める。これは甘い。砂糖にたとえるなら黒砂糖の甘さというべきか。柔らかいから輸送も利かず、日もちもしない。もっぱら自家消費一奌張り。
低い枝になったひとつを下から狙った。澄んだ青空がバックであったらよかったのに。あいにく曇天だ。でも空と柿の明暗差が小さいのでよかったのかもしれない。

 皮をむいて皿に盛る。夜、ストロボを使って撮ったのは青っぽく、まずそうに写った。螢光灯だけで写したものは、柿の色はともかく、皿にピンクっぽい色がのった。念のために、翌朝、自然光斜光線で撮っておいた駒が、いちばん自然な色を再現していた。ゆうべの機材で撮ったから、ストロボがついている。もちろん、発光はさせない。黒いバックは、スライドスクリーンの裏がえしだ。

 丸ごとの熟柿、皮には白い粉がふいている。さわると粉がとれるので、いじりまわさず、上向きに並べただけだ。ひとつはヘタがみえるようにひっくり返しておけばよかったのにと悔やまれる。

 白い粉はきちんと写したし、柿の下に敷いた葉まで深度内にいれたい。柔らかい果肉の質感もだしたい。どうしたって小絞りになる。構図はもちろん、質感描写に、脚は強い味方である。

 

ポイント


夜、ストロボを使って撮ったのは青っぽく、まずそうに写った。螢光灯だけで写したものは、柿の色はともかく、皿にピンクっぽい色がのった。念のために、翌朝、自然光斜光線で撮っておいた駒が、いちばん自然な色を再現していた。


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