タケの花は、地味である。寄れるだけ近寄って、大きく写したい。しべが伸びで花粉を出す時間も短いから、黄色いおしべの葯が新鮮なうちに撮りたい。花は細身で、画面占有面積が小さいから、目立たない。絞りを開けて、被写界深度を浅くし、背景をボカす。花よりもバックが暗くなる位置を探したい。花穂とカメラを極力平行にできる位置を工夫する。これがなかなかむずかしい。不自然な姿勢が苦しい。苦しい姿勢をしながら、構図選択と合焦。息、ハアハアである。汗もかく。ファインダーに正対しないと、ピントの正確なところを確認しにくい。使ったカメラは、ペンタプリズムを外すことができる。ヘンでムリな姿勢とはいっても楽なほうだが、アングルファインダーやマグニファイヤーを使うのが一番いいかもしれない。

 

 白黒の撮影状況写真では、どれがタケの花かよくはわかるまい。レンズ先端の白く写っている、実はミツバの前、右側の脚のレバーの下が被写体だ。

 

 もうひとつは、花を咲かせているヤブコウジ。樹高はおよそ15cm。低木である。晩秋、実が赤くなると目にとまりやすい。お正月飾りに使う風習もあるようで、12月、これを求めて山に入るひとがいるという。

 三脚のエレベーターを、上下逆さにしたから、雲台が下にある。この脚は、エレベータークランク駆動式ではない。エレベーターの固定部を解除すると、上下調節とエレベーターパイプの回転ができる。カメラの高さとレンズの向きとを同時にコントロールできてありがたい。開脚の角度を中位にするだけでなく、わざと2段目のパイプをのばした。カメラやレンズの操作をしやすくするために、カメラと脚の距離をあけたいのだ。カメラを低くしたければ、エレベーターを下げればいい。土につくところまで下げる事ができる。

 タケもヤブコウジもカメラ縦位置だ。前者はエレベーターの左側、後者は右側に起こしている。撮影中、不用意にレンズがオジギしてくれる不便は、タケの場合に起きやすい。しかし、被写体を動かす事はできないから、不便承知で、オジギしないよう注意して扱う。脚を据える場所にも制約があって、自由がきかないとなると、カメラを止めたネジが緩むことを承知で作業するのだ。理論どおりにはゆかない。臨機応変が求められる。

ポイント


理論どおりにはゆかない。臨機応変が求められる。


 

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